日常の支援

粗大運動の支援

体と心を育む療育のアプローチ

発達段階において、粗大運動は身体的な基礎能力の向上だけでなく、注意力や社会性の育成にも大きな役割を果たします。放課後等デイサービスでは、感覚統合を意識した運動プログラムを通じて、一人ひとりの子どもに合わせた支援を行っています。粗大運動の重要性と具体的な活動例をご紹介します。

粗大運動とは?


粗大運動とは、全身を使った大きな動きが中心の運動を指し、走る、跳ぶ、投げるといった基本的な身体動作が含まれます。これらの動きは、子どもたちの身体能力を高めるだけでなく、感覚統合を促進する重要な役割を果たします。感覚統合とは、視覚や平衡感覚、固有受容感覚といった複数の感覚情報を組み合わせて脳が処理し、適切な行動を選択する力のことです。

例えば、粗大運動を通じて視覚と体の連動性を高めることは、空間認識力やバランス感覚の向上に繋がります。また、運動の中で仲間と協力しながら目標を達成する体験は、社会性の発達やコミュニケーション能力の向上に寄与します。こうした活動は、単なる遊びではなく、療育としての価値が高いものです。

微細運動とは異なり、粗大運動は体全体を使うことで、子どもの発達を多面的に支援します。特に、放課後等デイサービスでは、こうした粗大運動を取り入れたプログラムが、学校生活や家庭での自信と成長に繋がる効果を発揮します。

「感覚統合を促進するアプローチ」
感覚統合とは、体の各感覚(視覚、固有受容感覚、平衡感覚)を統合し、適切に動作を調整する力です。小学生では感覚統合の発達が不十分な場合、運動や学習に困難を感じることがあります。

具体例
・フープジャンプで視覚と体の連携を鍛える
・平均台を使ってバランス感覚を養う

「固有受容感覚を刺激する活動」
固有受容感覚とは、筋肉や関節からの情報を脳に伝える仕組みで、体の位置や動きを把握するための重要な感覚です。

具体例
・バランスボールでの座位保持
・障害物コースでのジャンプやくぐり抜け

「ラダー運動を活用したトレーニング」
ラダー運動は、足の動きと全身の連携を鍛える運動で、敏捷性や注意力を向上させます。
ゴールデンエイジと呼ばれる幼少期には、神経系の機能と密接な関係がある「調整力(巧緻性、敏捷性、平衡性、協応性)」が著しく発達します。

この時期に、昔の子どもたちがよく遊んでいた「ケンケンパ」や「石蹴り」の延長として「ラダー運動」を導入することで、子どもたちの「調整力」を発達させることが期待できます。

「社会性を育む全体での活動」
粗大運動は、単なる身体能力の向上だけでなく、子どもたちが社会性を育むための貴重な機会を提供します。特に、小学生世代では、チームで協力して目標を達成する体験が重要です。運動の中で仲間と意思疎通を図ったり、役割を分担したりすることで、コミュニケーション能力や他者理解のスキルが自然と身につきます。

例えば、ボール運びリレーでは、チーム全体で作戦を立てたり、役割分担をしながら進めることで、協力の大切さを実感します。また、「動物ごっこリレー」のような創造的な活動では、遊びの中で互いの意見を尊重しながら役割をこなす経験ができます。これらのプログラムを通じて、子どもたちは他者と一緒に達成感を味わい、集団行動の楽しさを知ることができます。

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